教授挨拶


 

産声をあげてこの世に生を受け、息をひきとるまで。

はじまりから最期まで。ひとの一生は呼吸に始まり、呼吸に終わるとも言えるでしょうか。

 

呼吸器疾患を全身疾患として捉えること。楽に息をすることができることの大切さ。当科に集う医師たちは、豊富な症例に学びながら、全人的一個人の全身管理ができる専門医へと育っていきます。

 

大学に期待される研究とは、自然科学の神秘を解き明かす基礎研究であり、医療への貢献となる臨床研究、すなわちトランスレーショナルリサーチであります。当科は最先端の知識が交換されるネットワークを有し、基礎的研究から臨床応用へと結びつける研究を推進しています。また、数多くの臨床開発治験を受託しており、昭和大学呼吸器・アレルギー内科学教室の一員として臨床、研究に邁進することは、創薬等、産学連携のイノベーションの現場において価値創造を行うことと同義にあることに直ぐに気付いていただけることと思います。

 

我々は、呼吸器・アレルギー内科領域における世界トップレベルの人材プールであることを自負し、その保持とさらなるレベルアップのために努力を惜しみません。視点は常に、「明日、明後日」という将来にあり、何をいかになすべきかという問いに焦点化されています。より良き医療を患者に還元するために、医学研究と診療技術は共進化するという先人の発見を、当科の活動を通じて証明したいと考えています。

 

当科は気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、呼吸器感染症、間質性肺炎を中心とするびまん性肺疾患、免疫学的呼吸器疾患、アレルギー疾患、肺癌を専門分野として診療を行っています。肺癌治療に関しては腫瘍内科との協力体制のもと、予防と早期発見、診断技術の向上や更なる医療機関の整備など、既存の枠組みを超えて目的意識を共にする強固な連帯で取り組んでいます。そして、それら新たな連帯の基礎となるのはいつも「人」であります。

 

新たな価値創造を求めて、イノベーションを希求する舞台として、人生をより一層豊かにし、人間的魅力を育むための場として、当科が貴方にとって相応しい場であることをお約束したいと思います。刺激的な価値創造の大いなる旅の中で、新たな発見に息をのみ、安堵のため息をつきながら、呼吸器病学の発展のために共に成長していければ望外の喜びであります。

                              2015年7月吉日