気道過敏性

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喘息は気道の慢性気道炎症を特徴とする疾患であるが、無症状でも気道過敏性が亢進していることが知られている。喘息の診断の目安にも「気道過敏性の亢進がある」ことが報告されているが、これまで客観的に気道過敏性を評価する検査はなかった。2016年にメタコリン塩化物吸入薬が気道過敏性検査薬として承認されたが、それに先立って当院では臨床試験を実施し、メタコリンの安全性および有用性を報告している。1

検査の実際

濃度の異なるメタコリンを低濃度のものから高濃度のものまで順次吸入し、その都度聴診などの診察、呼吸機能検査を実施する。1秒量あるいはピークフローが20%以上低下した場合に「気道過敏性あり」と判断する。症状に乏しい喘息患者、慢性咳嗽の病態把握に有用であり、2,3 当院でも積極的に検査を行なっている。

1.相良博典ほか(2016).アレルギー 65,32-40.
2.J Asthma. 2017; 54: 520-529.
3.Ann Allergy Asthma Immunol. 2007; 98: 533-539.

著者

山本 成則