よくわかる!
呼吸器疾患・アレルギー疾患の解説

喘息の治療:吸入療法について

喘息治療の目標Goal for asthma treatment 喘息治療の目標は症状や増悪がなく呼吸機能が正常または患者さんの自己最良値に維持することです。具体的な喘息管理の目標としては以下のものがあります。 症状コン […]

重症・難治性喘息

重症喘息の疫学Etiology of severe asthma 国内人口の約10%に軽症から重症の気管支喘息(以下、喘息)患者が存在する。また、その約5%が重症喘息とされている。つまり、2019年9月1日の国内人口は約 […]

気管支喘息(ぜん息)に対するバイオ製剤

気管支喘息(ぜん息)に対するバイオ製剤 吸入ステロイド (ICS) の普及によって多くの喘息患者のコントロールは良好な状態を維持できるようになったが、約5%の患者においてはICSを含む複数の喘息治療薬を投与しても十分な喘 […]

喘息の研究トピックス

喘息肺組織におけるシングルセルRNAseq解析Single-cell RNA-seq analysis using asthmatic lung 喘息の病態には気道上皮細胞や気道平滑筋などの気道構成細胞、好中球、好酸球、 […]

ACO 気管支喘息・COPDオーバーラップ症候群

新しい疾患概念ACOとは? ACOとは近年特に注目されている概念であり、喘息とCOPDという異なる2疾患の特徴を合併している状態を意味する。実臨床において、既に喘息あるいはCOPDの診断がついている患者が多く、喘息と診断 […]

咳の鑑別

咳嗽 咳嗽(がいそう、せき)は気道内に貯留した分泌物や吸い込まれた異物を気道外に排除するための防御反応である。誰しもが経験する、頻度の多い主訴の一つである。咳嗽は持続する期間によって3種類に分類される(図)。 急性咳嗽の […]

誤嚥性肺炎-多面的な評価の必要性

誤嚥性肺炎 Aspiration pneumonia 概要 現代社会は高齢化の一途を記しており2018年において高齢者は総人口と比較して28.1%と世界と比較しても超高齢化社会となってきている。その中で誤嚥性肺炎は197 […]

肺結核

結核菌の感染 結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は抗酸菌の一種であり、抗酸菌は現在169種類が登録されている。肺結核のほとんどが空気感染するとされている。類縁の微生物が原因である非結核性抗酸菌 […]

非結核性抗酸菌症

非結核性抗酸菌症 概要 非結核性抗酸菌症(Nontuberculosis mycobacteria; NTM)は抗酸菌の一種である。池や沼などの湿地帯の水や土壌、農地や庭、水道水や浴室内など生活環境からも検出される菌であ […]

診断・治療に専門性が必要な真菌診療

真菌感染症 概要 真菌感染症(カビ)はその診断がときに困難であり、なかには治療抵抗性を示し、不幸な転機を辿ることがある。一般的に、深在性真菌感染症(しんざいせいしんきんしょう)は免疫不全状態など易感染性宿主に生じることが […]

肺癌 -診断から治療にいたるまで-

肺癌Lung cancer 概要 悪性腫瘍は我が国の総死亡の約3分の1を占め、生涯罹患率も増加している。肺癌に関しては、禁煙による予防や肺がん検診による早期発見などの方策が行われているものの、悪性腫瘍の中でも増加が著しい […]

胸膜中皮腫

胸膜中皮腫 悪性胸膜中皮腫は早期(Ⅰ期)の5年生存率が15%未満、Ⅳ期に至っては5年生存率0.0%と予後が不良である。 1960年に胸膜中皮腫が初めて報告されてから約60年が経過している。アスベスト曝露が原因であることは […]

間質性肺炎

概要・検査 間質性肺炎は易疲労感や呼吸困難を主症状とする疾患で、診断から死亡までの生存期間が短く、難病の1つと言える。間質性肺炎の原因は、膠原病(関節リウマチなど)や 環境因子(羽毛布団の使用や木造住宅への居住など)、 […]

好酸球性肺炎

好酸球性肺炎 概要 好酸球性肺炎は、末梢血好酸球の増多の有無を問わず、肺に好酸球が浸潤することにより肺野陰影を呈する疾患である。原因は不明であり、急性好酸球性肺炎(AEP)と慢性好酸球性肺炎(CEP)がよく知られている。 […]

薬剤性肺障害

概論 わが国では薬剤性肺障害、特に薬剤性間質性肺炎の発症頻度および死亡率が諸外国と比較し高率である。薬剤性肺障害とは薬剤を投与中に起きた呼吸器系の障害の中で薬剤と関連があるものと定義される。薬剤とは医師が処方した薬剤の他 […]

サルコイドーシス

サルコイドーシス サルコイドーシスは全身のほぼ全ての臓器を冒す良性肉芽種性疾患である。頻度の高い病変は肺、リンパ節、眼、皮膚であり、生命・機能予後を左右する病変に心臓、神経、腎臓などがある。発症年齢は女性が20歳代と50 […]

過敏性肺炎(急性~亜急性)

過敏性肺炎(急性~亜急性) 過敏性肺炎は、過敏反応の原因となるアレルゲンの反復吸入により引き起こされるⅢ・Ⅳ型アレルギーによる肺炎である。原因は多岐にわたり、自宅環境中の抗原、鳥関連の抗原、職業環境中の抗原による肺炎が代 […]

急性呼吸促迫症候群ARDS

急性呼吸促迫症候群ARDS Acute Respiratory Distress Syndrome ARDSは重症な呼吸不全を呈する症候群であり、原因が多様です。原因として、肺の直接損傷(肺炎など)によるものと、肺以外に […]

呼吸不全、低酸素血症

呼吸不全とは:酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する肺の換気ができない状態Definition of respiratory failure 呼吸不全(こきゅうふぜん)とは、空気中から酸素を取り込み、体内で生じた二酸化炭素 […]

人工呼吸療法

人工呼吸療法 人工呼吸療法は呼吸不全により酸素化が保たれない場合に行われる治療である。呼吸不全は主に換気不全、酸素化不全、両者の合併に分けられるが、いずれの状態であれ呼吸不全が進行する場合には人工呼吸療法が必要となる。鼻 […]

気管支拡張症

気管支拡張症とは? 気管支拡張症は、種々の原因により気管支が異常に拡張し、慢性の呼吸器症状を呈する疾患群である。原因となる疾患としては、肺結核や一般細菌やウイルスの感染、免疫不全、先天性気管支壁異常、線毛運動障害(Kar […]

気胸および囊胞性肺疾患

気胸 気胸は何らかの原因で肺が虚脱し胸膜腔内にガスが存在する状態を示し、突然発症することが多い。症状は胸痛や呼吸困難、頻脈、咳嗽などがみられる。分類としては、原発性自然気胸、続発性気胸、外傷性気胸、緊張性気胸がある。 原 […]

職業性肺疾患

職業性肺疾患 仕事の作業中に有害な粉塵、化学物質、金属などを吸入することで生じる呼吸器疾患を職業性肺疾患という。その中でもじん肺がよく知られている。じん肺は、吸入する原因物質によって疾患名が付けられており、代表的な原因物 […]

呼吸器疾患における終末期とその対応

背景 緩和ケアは「生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOLを、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向 […]

呼吸器疾患と歯科病変

呼吸器疾患の予防に口腔ケアが重要An important role of oral care to prevent respiratory disease 呼吸器疾患と歯科病変との関連においては、特に誤嚥性肺炎の予防に口 […]

呼吸機能検査

呼吸機能検査の概要 呼吸機能検査は、スパイロメーターという機器を用いてヒトの呼吸機能を数値やグラフで評価する検査である。比較的侵襲度の低い検査であり、咳嗽、呼吸困難といった呼吸器症状に対する原因疾患の特定の一助になるだけ […]

気道過敏性

喘息は気道の慢性気道炎症を特徴とする疾患であるが、無症状でも気道過敏性が亢進していることが知られている。喘息の診断の目安にも「気道過敏性の亢進がある」ことが報告されているが、これまで客観的に気道過敏性を評価する検査はなか […]

胸部異常影の検査

胸部異常影 昭和大学病院呼吸器アレルギー内科では、胸部異常影に対するアプローチとして、種々の検査を行っている。ここでは主に画像検査を中心に述べる。 ① 単純X線 通過したX線の量の差がコントラストを作り画像が出来上がる。 […]

気管支内視鏡検査 一般

気管支内視鏡検査 一般 Bronchoscopy 概要 気管支鏡検査は気管支、肺疾患における診断、組織採取や肺胞洗浄液の分画の精査や感染症の診断などのためのアプローチ法である。 具体的には以下の病態に対して気管支内視鏡検 […]